Northern Lights

自分らしく幸せに生きていこうとする日記。

人と人の距離が近い場所

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 たまに一人で行きたくなる、おっちゃんだらけ(いつも満席)の大衆居酒屋があって、この前そこへ久しぶりに行ってきました。そこは、お酒も食事も安くて美味しい代わりに、いくつか暗黙のルールがあります。料理を作ってくれる厨房以外の店員さんは、基本的に60歳以上の気の強い下町のおばちゃんや、貫禄のあるおばあちゃんしかいないので、原則逆らわないこと(たまにオーダーを忘れるくらいでいちいち怒らないで、普通にやんわり催促すること)。あとは、周りに一人でしょんぼりしすぎているひとや、飲みすぎている人に気づいた時は、声をかけてあげること。それくらいです。


 サバの塩焼きを注文してしばらくしてから、おばちゃんが来てごめんお兄ちゃん"サバ"今日ないんだって!今日はお魚がいいの?他のお魚なら何がいいのよ?と聞かれて”ほっけ”でもいいよ。と言ったら、ほっけ、は割りとすぐに出てきて(多分気を遣ってくれた)、凄く美味しかったのはよかったんだけど、しばらくの間、そのおばちゃん他のお客さんが焼き魚を注文するたびに、お兄さん今日もうないのってサバだっけ?ほっけ、だっけ?と3回くらい僕に確認をしてきました。まぁ、そんな感じのお店です。
 

 その居酒屋は1人で飲みにきているお客さんのほうが圧倒的に多く、隣に座った知らないおじさんと会話をすることが多いです。その日は、右隣の総入れ歯のおじいちゃんがミックスナッツ(入れ歯だから食べれないんだ。。と呟きながら)を僕にくれようとしている時に、左隣の60代前半くらいの割と小奇麗な身なりをしたおじさんに、とても丁寧な口調で、申し訳ないですけどお兄さん、タバコ吸ってもいいですか?と言われたことがきっかけで、会話が始まりました。おじさんの息子が今東大生だという自慢話や、タバコをこっそり吸って奥さんにいつもめちゃくちゃ怒られて迫害されてる話や、僕がどうやってタバコをやめることができたか、という自慢話など色々と他愛のない話ができました。

 

 おじさんは、わざわざ電車で30分以上もかけてここへ月に一度は訪れるそうです。理由を聞くと、安くて美味しいのはおまけで、年齢や職種や性別を問わず、自然と会話ができる雰囲気(別にしなくてもいい雰囲気もある)が好きなんだ、と言っていました。その話を聞いて、昔のインターネットって、この居酒屋みたいにもっと雑然としていて、多様性を許容する余裕のある場所だったよなぁ、とぼんやり考えてしまいました。

グローバルとローカルと博物館

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 日曜日、ハニーと久しぶりに上野へお散歩に出掛けることに。目的は、美味しいお蕎麦屋さんに行く事と、何らかのミュージアムに行くこと。糖質制限中の僕は久しぶりの炭水化物である蕎麦を楽しみにしていました。待ち合わせ場所はお昼に、あの蕎麦屋さん前で集合、という食いしん坊丸出しのざっくりとした約束。

 目的地に着くまで電車の中で時間つぶしにスマホをみていると、アメリカのトランプ大統領の出した難民とイスラム教7カ国の入国を禁じる措置で空港がパニックに陥り、各所でデモが起きている、というニュースが流れており、ちょうどネット中継でボストンのローガン空港でのデモが映されていて、空港の中で悲しい顔をしてトランプの政策を批判する歌をみんなで歌っていました。

 ハニーと蕎麦屋前で合流すると、少しだけトランプの話をしたくってハニーに話題を振ると、シリコンバレーにいる賢い人たちがみんなアメリカを避けるようになって、賢い人たちが世界中に分散する事自体はそんなに悪いことではないのでは?というふんわりしたことを言われて少し頭がグラグラする僕。気づくと二人ともお蕎麦屋さんで今日何を食べるかを選ぶことに集中していました。

 僕の選んだ温かい鴨蕎麦をチラチラずっとハニーがみてくるので、少しだけ分けてあげると、小さい子供のようなキラキラした目をして一瞬で食べてしまいました。その後、少しだけ僕に懐いてきました。結局、それほどみたい特別展がなかったので、東京国立博物館の常設展に行くことに。外国人も日本人もたくさんの人たちが、ピクニック気分で楽しんでいました。博物館では日本の仏像(平安時代鎌倉時代)、のような感じで、あるテーマと併せて時系列で展示しているものが多いので、昔の日本をタイムスリップしているような気分に少しなるので僕は好きです。昔の人たちはインターネットもスマホもないですが、楽しげな文化はどの時代でもちゃんとあるし、割りと楽しそうに充実して暮らしているようにみえました。
 インターネットの普及で、国境がなくなり、グローバル化が進むと言われてきました。結果的に、イギリスはEUを離脱して、アメリカでは排他主義者のトランプ大統領が選ばれ、新たな国境が次々と作られそうな雰囲気です。インターネットのもたらした行き過ぎたグローバル化に対する反動の、ローカルの人たちによる反乱が、はっきりと目に見える形で世界に姿を表し始めた、ということだと思います。

 これから僕はというと、この不確実性の高い未来に対して特に心配したり、恐れたりすることはしません。それは労力の無駄だと思うからです。テクノロジーの進化に抗おうとも、資本主義に逆らおうとも別にしません。自分に無理をしない程度に、多様な異なる考え方や、生き方を尊重して、自分は自分らしく幸せであることを考えて、そのために努力をしていくというとてもシンプルなことを継続していこうと考えてます。そんなことを、ハニーと一緒に、楽しくて美味しい夕飯を食べながら考えてました。

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